自転車フレームに使われる素材の違い
自転車フレームには様々な材質があります。大きく分けてハイテン、クロモリ、アルミ、チタン、カーボンに分けられます。自転車フレームの強度や剛性などはフレームの設計やフレームに掛かる負荷(乗る人の体重)によって変わりますが、今回は、純粋に材質についてまとめてみました。
まずは数字から(以下は代表的な数字です。正確にはそれぞれの材質にも細かい種類があります)以下は「自転車探検!」さんのページより一部抜粋。
素材 | 引張強度(MPa) | 縦断性係数(GPa) | 密度(kg/m2) |
ハイテン | 860 | 203 | 7800 |
クロモリ | 980 | 206 | 7800 |
アルミ | 570 | 73 | 2700 |
チタン | 950 | 110 | 4400 |
カーボン | 900 | 120 | 1400 |
引張強度:主に材質の強度を指します
縦断性係数:振動吸収性の指標です
密度:重量の指標です
材質だけを見ると、強度はアルミを除くと何れもカーボンの±10%程度です。振動吸収性を見ると鉄素材のハイテンとクロモリが他素材の倍近い吸収性を持っていることが分かります。重量を見てみますと、カーボン、アルミが断トツに低い(軽い)のがお分かり頂けると思います。
仮に全く同じフレーム設計で異なる材質を用いた場合には、アルミやカーボンは他と比べるとかなり軽くなりますが、振動吸収性が著しく落ちてしまいます。その為、アルミやカーボンフレームは多素材と比べ太いフレーム設計になっています。
Cocci Pedaleでは細いフレームを実現するために鉄素材を選択し、且つお買い求め頂きやすいようクロモリより安価なハイテンを使っています。(Cocci Pedaleのフレーム強度については日本車両検査協会の検査も行っておりますので詳しくはこちらをご覧ください。2019年1月より160cm〜モデルはクロモリに変更されました)
材質にはそれぞれ特徴がありますので、どの様な用途に対し、どの様な設計、組み合わせパターンとするかなどが自転車メーカーの設計思想に繋がっていくのではないでしょうか。Cocci Pedaleはフレームを鉄に、その他の主要部品をアルミとすることで、軽量化にも努めています。
フレームの設計思想についてはこちらからご覧いただけます。
クロモリの特徴
クロモリ(クロムモリブデン鋼)は鉄にクロムとモリブデン等を添加した合金です。自転車のフレームに採用した場合に最も大きな違いは、やはり乗り心地です。軽量でスピードを出せるロードバイクに採用されるアルミはゴツゴツとした感触やガツンとした突き上げがありますが、クロモリはバネ感のあるしなやかな乗り心地です。
ハイテンションスチールの特徴
クロモリと同様に、クロムとモリブデン等が添加された合金ですが、割合が異なり、特性も異なってきます。自転車ではクロモリよりランクが落ちる印象も多いかと思いますが、潜水艦や橋にも使われる素材で、強度があります。乗り味はクロモリよりもゴツゴツした感触やガツンとした突き上げがありますが、クロモリと同様に細身のフレームにする事ができます。