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内装3速・リアホイールの脱着

内装3速・リアホイールの脱着

リアホイールの脱着を個別にご紹介します。

こちらではシングルギアのリアホイールの脱着となります。

シングルはこちらを、内装5速はこちらをご覧ください。

1.ギアを3速に入れる

3速に入れることで、シフトワイヤーが緩みます。
シフトワイヤーにテンションがかかっていると、この後の作業が思うように進みません。

 

2.ギアシャフトを外す

ねじ込まれている部品を写真のように外します。

※サビついて動かせない、という場合、浸透潤滑剤をスプレーして30分〜1時間程度置くと、動かしやすくなります。

3.車体を整備台に乗せる、もしくは車体をひっくり返す

整備用のスタンドがない場合はひっくり返します。
工場には組み立て・整備用のスタンドがありますが、今回はそれを使わずにやっていきます。
地面に直接置くと、ハンドルやサドルに傷が入ってしまうので、必ず養生しましょう。

4.ギアカバーを外す

傷が入らないよう、布等を当てて、ギアカバーとフレームの間にドライバーを押し込み、ギアカバーを外します。
ギアカバーを外したら、ホイール固定ナットの中心に刺さっているシャフトも外します。
シャフトは手でクルクルと回して外します。

 

5.ホイール固定ナットを緩める

左右のナットを緩めます。ナットは外さなくても問題ありません。

 

6.チェーンテンションボルトを緩める

チェーンテンションボルトを緩めます。
回し続けるとそのまま抜けてしまいますが、今回はこのボルトを交換したい訳ではないので、抜かなくて大丈夫です。

 

7.リアホイールをいっぱいまで前に出す

いっぱいまで前に出すことで、チェーンが外せるようになります。

 

8.チェーンを落とす

ここまで来れば、ホイールはもう外せます。
ホイールを後方に引っ張ってください。
タイヤ交換をする場合、交換手順はフロントホイールと同じなのでこちらを確認してくださいね。
それでは続いて、ホイールを車体に取り付ける場合です。
基本的には逆の手順をやるだけですが、作業のポイントも解説していきます。

1.クランク側のチェーンを落とす

クランク側のチェーンも落としちゃいます。ホイールを戻すのが楽になりますよ。

 

2.チェーンをリアホイールにかける

リアホイールにチェーンを引っ掛けておきます。

 

3.ホイールを車体に戻す

チェーンは引っ掛けたまま、です。リアホイールはいっぱいまで前に出しておきましょう。

 

4.チェーンをかける

前後ともにチェーンをかけます。

 

5.車体右側のチェーンテンションボルトを締め込む

ここは重要なところです。車体の右側とは、乗車時に右側。つまり、チェーンのある側のテンションボルトを締め込んでください。
チェーンのテンションはピンと張らず、かと言ってゆるゆる過ぎず。
指で押して少したわむぐらいが目安です。

 

6.車体左側のチェーンテンションボルトを締め込み、ホイールの向きを調整する

チェーンのない側も締め込んでいきます。ここが1番難しいところです。
写真のように、傷がついていると思うので、そこを目安に。
微調整して行くので、まだ完璧に位置を合わせなくてOKですよ。

作業者の視点です。画像の右が車体の左側となります。
車体をひっくり返しているので、左右が反転します。
タイヤが斜めになっているので、車体左側(画像の右手が写っている側)のテンションボルトで調整します。
この画像で言うと、タイヤは車体の右に向いていることになるので、車体左側のテンションボルトを締め込みます。(タイヤが左に向いている時は緩めてくださいね)
この時、一気に締め込まず、1/8回転〜1/4回転ずつ締めていきます。(慣れてくると一気に回せますが……!)

締め込んでまっすぐになった状態です。
違う角度からも画像を用意してみました。

まだちょっと曲がってますね。
より正確にしたいところですが、一旦先へ進みます。

 

7.車体を起こし、ナットを締め込む

車体を戻し、ホイール固定ナットを締め込みます。
締め付けトルクは24N/mですが、まだ本締めせず、軽く締め込みます。
固定ナットを締め込むことで、フレームがわずかに動きます。
この時に、リアホイールの向きも変わってしまうので、もう一度調整します。
車体の真後ろに立ち、シートチューブ(フレームのサドルが刺さっている延長線)の左右がタイヤよりはみ出しが多い場合は次のように調整します。

・真後ろから見てフレーム左側が多く見えている(ホイールが右を向いている)場合、右のテンションボルトを緩める
・真後ろから見てフレーム右側が多く見えている(ホイールが左を向いている)場合、右のテンションボルトを締める

ホイールがまっすぐになっていたら、固定ナットを締め込みます。
しかし、まだ油断しないでくださいね。空いている方の手でタイヤを抑えて本締めをしてください。
締め付け時にナットが割れてしまう事があるので、締め付けトルク24N/mは守るようにしてください。

 

8.変速用パーツを組み付ける

シャフトをリアホイール右側のナットの中に入れ、時計回りに回します。
軽く押しながら止まるまで回して行き、ネジが止まったら1周程度緩めます。

 

9.ギアカバーを取り付ける

ギアカバーは外す時と違い、はめるだけです。
注意点としては、チェーンテンションボルトとほぼ水平にすること。
少し斜めでもOKという意味で、水平でももちろんOKです。

 

10.シャフトとワイヤーを繋ぐ

画像右側のワイヤー側の部品をシャフトにねじ込みます。
ワイヤーを変速レバーが引っ張る事で1速、2速に入るようになっています。
そのため、1速に入るところまでねじ込みます。
ねじ込み過ぎると、反対に3速に入らなくなってしまうので、1速と3速に入るか確認しながら締め込み量を調整してください。
ねじ込む時は3速に入れた状態で行うとスムーズです。
シャフトについている丸い部品はローレットナットという工具を使わずに締めたり緩めたりするナットです。これをワイヤー側の部品に向かって緩めて行きます。
ワイヤー側の部品に当たるまで緩めたら、そのままワイヤー側の部品を手で抑え、ローレットナットをしっかり締め込みます。(工具は使いません)

お疲れ様でした。これで完成です。
慣れてしまえばリアホイールの脱着は調整も含めて10分もあれば出来ちゃいますが、それまではなかなか上手くいかない事も多いと思います。
繰り返しとなってしまいますが、難しそうと思ったら無理をせず、自転車店にご依頼ください。

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