リアホイールの脱着を個別にご紹介します。
こちらではシングルギアのリアホイールの脱着となります。
画像は内装3速を使用しているため、パーツの形状が異なりますが、作業内容に差異はありません。
1.車体を整備台に乗せる、もしくは車体をひっくり返す
整備用のスタンドがない場合はひっくり返します。
工場には組み立て・整備用のスタンドがありますが、今回はそれを使わずにやっていきます。
地面に直接置くと、ハンドルやサドルに傷が入ってしまうので、必ず養生しましょう。
左右のナットを緩めます。ナットは外さなくても問題ありません。(画像は内装3速ですが、同様です)
3.チェーンテンションボルトを緩める
チェーンテンションボルトを緩めます。
回し続けるとそのまま抜けてしまいますが、今回はこのボルトを交換したい訳ではないので、抜かなくて大丈夫です。
4.リアホイールをいっぱいまで前に出す
いっぱいまで前に出すことで、チェーンが外せるようになります。
5.チェーンを落とす
ここまで来れば、ホイールはもう外せます。
ホイールを後方に引っ張ってください。
タイヤ交換をする場合、交換手順はフロントホイールと同じなのでこちらを確認してくださいね。
それでは続いて、ホイールを車体に取り付ける場合です。
基本的には逆の手順をやるだけですが、作業のポイントも解説していきます。
1.クランク側のチェーンを落とす
クランク側のチェーンも落とします。ホイールを戻すのが楽になりますよ。
2.チェーンをリアホイールにかける
リアホイールにチェーンを引っ掛けておきます。
3.ホイールを車体に戻す
チェーンは引っ掛けたまま、です。リアホイールはいっぱいまで前に出しておきましょう。
4.チェーンをかける
前後ともにチェーンをかけます。
5.車体右側のチェーンテンションボルトを締め込む
ここは重要なところです。車体の右側とは、乗車時に右側。つまり、チェーンのある側のテンションボルトを締め込んでください。
チェーンのテンションはピンと張らず、かと言ってゆるゆる過ぎず。
指で押して少したわむぐらいが目安です。
6.車体左側のチェーンテンションボルトを締め込み、ホイールの向きを調整する
チェーンのない側も締め込んでいきます。ここが1番難しいところです。
写真のように、傷がついていると思うので、そこを目安に。
微調整して行くので、まだ完璧に位置を合わせなくてOKですよ。
作業者の視点です。画像の右が車体の左側となります。
車体をひっくり返しているので、左右が反転します。
タイヤが斜めになっているので、車体左側(画像の右手が写っている側)のテンションボルトで調整します。
この画像で言うと、タイヤは車体の右に向いていることになるので、車体左側のテンションボルトを締め込みます。(タイヤが左に向いている時は緩めてください)
この時、一気に締め込まず、1/8回転〜1/4回転ずつ締めていきます。(慣れてくると一気に回せますが……!)
締め込んでまっすぐになった状態です。
違う角度からも画像を用意してみました。
まだちょっと曲がってますね。
より正確にしたいところですが、一旦先へ進みます。
7.車体を起こし、ナットを締め込む
車体を戻し、ホイール固定ナットを締め込みます。
締め付けトルクは24N/mですが、まだ本締めせず、軽く締め込みます。
固定ナットを締め込むことで、フレームがわずかに動きます。
この時に、リアホイールの向きも変わってしまうので、もう一度調整します。
車体の真後ろに立ち、シートチューブ(フレームのサドルが刺さっている延長線)の左右がタイヤよりはみ出しが多い場合は次のように調整します。
・真後ろから見てフレーム左側が多く見えている(ホイールが右を向いている)場合、右のテンションボルトを緩める
・真後ろから見てフレーム右側が多く見えている(ホイールが左を向いている)場合、右のテンションボルトを締める
ホイールがまっすぐになっていたら、固定ナットを締め込みます。
しかし、まだ油断しないでくださいね。空いている方の手でタイヤを抑えて本締めをしてください。
締め付け時にナットが割れてしまう事があるので、締め付けトルク24N/mは守るようにしてください。
慣れてしまえばリアホイールの脱着は調整も含めて10分もあれば出来ちゃいますが、それまではなかなか上手くいかない事も多いと思います。
繰り返しとなってしまいますが、難しそうと思ったら無理をせず、自転車店にご依頼ください。